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【 『つばさの党』初公判始まる 公職選挙法違反の罪「我々は他陣営の嘘を可視化した」 東京地裁】
- 2024.11.22
- 裁判
つばさの党、黒川敦彦氏(46歳)、根本良輔氏(30歳)、杉田勇人氏(39歳)3名が、2024年4月16日を皮切りに行われた東京都15区補選で、初公判が2024年11月20日東京地裁(板津正道裁判官)で始まった。
東京地裁では当日の急な冷え込みにも負けじと、傍聴券を求める人およそ300人が駆けつけ、傍聴席は20席に対して100人中わずか6、7人の当選率となった。
黒いスーツに身を包んだ黒川氏は少し痩せやつれたかのようだ。半年間の勾留生活でストレスを感じているように見える。
根本氏は東京都15区衆議院補選の際に着用していた紺のスーツ姿にマンバンヘア姿、周りを見渡し険しい表情を作るなど神経質になっているように見受けられる。
杉田氏は肩まで伸ばした髪に、グレー地に白の縦線入りのスーツ姿。疲れているような表情で前をじっと見つめている。
罪状認否は、黒川氏、根本氏、杉田氏の順に行われた。
黒川氏は「裁判長の名前は何と言いますか?」と質問、裁判長が「私は板津と言います。」と返答すると
「板津裁判長ならびに裁判官の皆さん、私たちのことを迷惑系Youtuberだと思っていませんか?違います?」と問い掛けた。
「この裁判は、今まで国会も司法も真面目に考えてこなかった、選挙における表現の自由・政治活動の自由がどこまで認められるべきか、国民の極めて重要な権利の範囲について、初めて一本の線を引く裁判です。」と続け、
「裁判官の皆さんには、心して神聖なる判決を下して頂きたい。我々が行った行為は極めて政治的に意味のある適法な行為であり、我々は当然、無罪です。」と主張した。傍聴席からはいいぞ!という声も上がったが、すぐさま注意されていた。「今度言ったら退廷ですよ。」
黒川氏は裁判の争点となる5つの主張を掲げた。
①我々のおこなった行為は決して妨害行為ではなく他陣営の隠している嘘を有権者に可視化し投票行動の材料を提供。
②現在の公職選挙法には、何が選挙妨害として犯罪になるかの基準が何もない。
③選挙に出た陣営の拡声器の声同士がぶつかってはいけないという法律はない。それは総務省も明言している。
④選挙演説に対するヤジは合法である。
⑤今の公選法は、あまりにも何も書いておらず、我々を有罪にすることは容易ではない。
等を上げ、
「現在の公職選挙法には、何が選挙妨害として犯罪になるかの基準が何もない。」
と締めくくった。
痩せた黒川氏の肉体から、終始力強い演説は衰えず、裁判長に吠えかかるような声を、
「あの、中身で勝負、てか、冷静になったほうがお互いにいい裁判になると思うな?」
となだめると黒川氏は、
「こういう職業ですから…」
と我に返りトーンダウンするというシーンも見られた。黒川氏は20分以上もトークを繰り広げた。
根本氏も無罪を主張した。
「私は選挙に3回立候補したことがある。全ての選挙活動で、質問をされたり野次を飛ばされたりした経験があるが私はそれを妨害と思ったことはない。」
「立候補者の街頭演説を一方的に聞いているだけでは、信用できる政治家なのか判断できない。例として、立憲民主党が、政権交代前は『消費税を下げる、マニフェストに書いていないことはしない』と言っていたのに政権交代後にマニフェストに書いていない消費税増税を行って国民を裏切ったことが挙げられる。」
「質問に答えないで立ち去るのはそれは妨害されたからではなく、票を得るため、あるいは減らさないための合理的な判断によるもの。」
と述べ、妨害行為により演説ができなくされたのではなく、答えずに立ち去れという陣営の判断によるものと主張した。
杉田氏は、「私自身は有罪になれば罪を厳粛に受け止めるつもりです。」と話した。
「私は令和5年4月につばさの党に入りました。それまでは創価学会のトラブルで2年以上も執拗な嫌がらせに遭い、その事を相談したら『チャンネルつばさ』で黒川さんが取り上げてくれ、つばさの党を手伝ってくれないかと、入党させてくれた。私自身、選挙の右も左もわかりません。黒川さん、根本さんがやっていたことは正当な活動であると思っていた。」とし、
「だから動画で撮影していた。だが、このことを直接城東警察に注意され、それ以降はやめています。当時は公職選挙法に違反するとは思っていなかった」と終始小さな声で淡々と話した。
《つばさの党3名が起訴された6つの行為》
告示日の4月16日に、乙武洋匡候補が演説していた東京 江東区の亀戸駅前で電話ボックスの上に座るなどして拡声機を使って問い詰めた行為。
クラクションを鳴らしたりして演説が聞こえないようにしたとされている行為。
4月17日には、後に当選した酒井菜摘候補(38歳)の選挙カーをおよそ3キロにわたって追い回して停車させ車内にいた運動員にスマートフォンを向けて映像を配信しながら問い詰めた行為。
別の日も街頭演説の会場に押しかけたり選挙カーを追い回したりして妨害したとされている行為。
その他、吉川里奈候補の選挙カーも追い回してその日に予定していた活動を一部断念させた行為。
金澤結衣候補の演説中にガードレールに上って太鼓をたたくなどして演説を妨害した行為。
検察側は冒頭陳述で、
注目度が高い補選で他陣営への押しかけ行為をすれば「党の知名度を上げられる」と被告らが考えた、と指摘。動画を公開して閲覧数を増やすことで「収益を得ることも期待していた」と物凄い早口で述べた。
今回検察側はつばさの党の3名が妨害したとされる行為を約90箇所も抜き取り証拠として取り上げている。
これに対してつばさの党代理人(趙誠峰弁護士)はゆっくりとわかりやすい言葉を選んで、「つばさの党がおこなった行為については争わない。つばさの党がした今回の行為が公職選挙法225条、1項2項にどう当てはまるか。この法は70年前に作られた法であり、明確とした刑罰が無い。どういうものが選挙妨害なのか不明確である。」として「明らかに反故されるべき」と、無罪を主張した。
〈つばさの党と他の候補者政党の音量の差が明らかに!〉
今回検察側が証拠として集めた、つばさの党あるいは第三者がネットに投稿した、あるいは提供があった動画を観る機会を設けられた。
選挙の初日4月16日亀戸の駅前で乙武洋匡(玉木雄一郎(55歳)、小池百合子(72歳))陣営でのシーンに始まり、立憲民主党酒井菜摘氏(38歳)の車や日本維新の会の金澤ゆい氏(34歳)、日本保守党の街宣カーを見比べると、どの街宣カーもスピーカーが大きくパワーのあるもの。
つばさの党のスピーカーよりも明らかに他陣営のスピーカーのほうが出力が大きいのだ。乙武氏などはスピーチで余裕で振り抜けたはずだ。
また、街宣においては、立憲民主党の酒井菜摘陣営に突撃したシーンが映し出され黒川氏が延々とマシンガンスピーチ、
「酒井さん、なんであなたは公務員に応援してもらってるんですか」
「公務員や自治労に応援してもらってることは違法行為なんですよ」
「この既得権益者!」
と、まるで裁判所で黒川氏が延々と街宣を行っているかのような状態におちいり、思わず黒川氏も吹き出してしまい、注意を受けるシーンも見られた。
なお次回の公判は未定。
《長期勾留は人権侵害と国賠訴訟も》
黒川代表と根本幹事長は11月6日、半年にもわたる長期間の勾留は不当な人権侵害で憲法違反だと主張し、国に2200万円の賠償を求める民事裁判を起こした。
参考サイト:
「つばさの党」 選挙運動妨害事件の裁判 黒川代表らが無罪主張
衆院補選妨害、つばさの党代表ら無罪主張
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