【バイデン氏撤退、カマラ・ハリス氏が後継へ 民主党大統領選後任候補 難点に直面】
- 2024.7.23
- 国際・政治
2024年7月22日(現地時間)、ジョー・バイデン氏(81歳)は大統領選挙から撤退する、と発表しました。これから民主党は大統領選挙の候補者を変えなければならなくなり、厳しい選挙戦の振り出しに戻ります。
当初実は、大統領選から撤退を求める一部の民主党議員の声に耳を傾ける事はなかったと言います。
バイデン氏は新型コロナウイルスの検査で陽性が確認されてから自主隔離を続けていて、選挙戦からの撤退表明後、公の場で発言するのはこれが初めてです。
バイデン大統領によると、後継者はカマラ・ハリス副大統領(59歳)をとしましたが、11月まで3ヶ月となったこの時期に候補者を変える民主党はハリス氏で、共和党ドナルド・トランプ元大統領(78歳)に勝てるのか不安材料は山積みです。
カマラ・ハリス副大統領はカリフォルニア州出身の59歳で、ジャマイカ出身の父親とインド出身の母親のもとに生まれました。
彼女はカリフォルニア州の司法長官を務めた後、2017年に上院議員となり、2020年の大統領選挙で民主党の候補者指名争いに挑戦しましたが、支持が広がらず撤退。
その後、バイデン氏を支持し、副大統領候補に選ばれました。
ハリス氏は、アメリカ史上初の女性かつ黒人の副大統領として、多様性を重視するバイデン政権の象徴となりました。
2022年には、連邦最高裁判所が人工妊娠中絶の権利を覆したことを受け、全米各地で中絶の権利擁護を訴え、バイデン氏の再選を支援しています。また、若年層や黒人層の支持を集める役割も期待されています。
一方で、移民対策を任されながらも、メキシコ国境の現場を訪れるのが遅れたため、共和党からの批判を受け、目立った実績がないとの厳しい評価もあります。
米民主党のペロシ元下院議長(84歳)は22日、11月の大統領選に向け、ハリス副大統領を民主党の大統領候補として支持すると表明しました。
ペロシ氏は声明で、ハリス氏への支持について「公的かつ個人的、政治的な理由からハリス氏は政界における女性として非常に聡明だ。11月の選挙でわれわれを勝利に導いてくれると確信している」と言明しました。
後継候補として有力視されているハリス副大統領は22日、東部デラウェア州にある選挙対策本部を訪れ、スタッフを前に演説しました。
この中でハリス氏は、バイデン大統領から民主党の後継の大統領候補として支持されたことについて「バイデン大統領の支持を得られたことを光栄に思う。指名を獲得し、勝利するつもりだ」と述べて党の候補者の指名獲得に重ねて意欲を示しました。
一方で、2024年7月13日、集会当日のバトラーファームショー会場にて、トランプ元大統領暗殺未遂事件は起こりました。
幸いトランプ氏の命はとりとめたものの、背後にいたトランプ氏支持者の男性は命を落としました。
過去の歴史、リンカーン大統領やジョン・F・ケネディ大統領の暗殺事件が頭をよぎります。
卑劣な暴力には屈しないというアメリカ魂がトランプ氏に同情票、「USA!USA!」の大合唱の元に野党が団結する結果となり、現時点でトランプ氏が勝利する可能性が増しました。
バイデン氏が大統領選撤退を証明した後、ドル円相場に変化が現れ一時期、円買いの動きがあり、19日、1ドル156円とドル安になり為替相場を賑わせましたが、22日朝方の市場ではドルを売る動きに転じ157円に戻りました。
また、SNS、Xの責任者イーロン・マスク氏(53歳)は、ジョージ・ソロス氏の息子で後継者のアレクサンダー・ソロス氏と仲良く写真を撮るハリス氏の画像に、「誰が次の操り人形になるか疑いを持たせないでくれてありがとう」と皮肉を込めてコメントしました。
参考サイト
バイデン大統領 “撤退表明 正しいことだった”
【米大統領選2024】 カマラ・ハリス副大統領とは 選挙戦撤退のバイデン氏が後任候補に支持